TOEICのリスニングが聞き取れない…
英語を聞き取れるようになるにはどんな勉強をすればいいのかな。
このようにお悩みの方へ、以下について解説していきます。
この記事でわかること
- TOEICのリスニングが聞き取れない原因
- TOEICのリスニングが聞き取れない原因ごとにピッタリの勉強方法
- TOEICのリスニング対策におすすめの教材
この記事を書いている私は、TOEIC950点を2回連続で取った経験があります。1回目はリスニング490点、2回目はリスニング満点でした!
TOEICで800点を取るためにはリスニング力を身につけるのが大きな近道になります。なぜならリスニングで点を取れば取るほど、リーディングパートの負担を減らせるからです。
リスニングは設定された時間通りに進んでいくので、英語を正確に聞き取れるスキルさえ身につければ確実にスコアアップにつながります。
さらにリスニングだけで800点のうち半分以上の点数を稼げれば、リーディングパートを多少ゆっくりでも正確に解ければ800点を取るのも夢じゃありません。
そこで、今回はTOEICのリスニングを確実に聞き取れるようになるために効果的な勉強方法をご紹介していきます。
リスニングで悩んでいる人は最後まで読んでみてくださいね!
TOEICのリスニングが聞き取れない大きな原因2つ
効果的な勉強をしていくためには、まずはあなた自身がなぜリスニングで聞き取れないのかを明らかにしましょう。結論から言うと、リスニングが聞き取れない原因は大きく分けて次の2つです。
- 英語の音そのものを聞き取れないパターン
- 音は聞き取れているが、意味が理解できないパターン
そもそもですが、私たちがリスニングをするときは次のようなプロセスを経てはじめて英語を「聞き取れた」という状態になります。
音を聞き取る→意味を把握する=聞き取れた
ですからどちらか1つでもできていないと、「聞き取れない」と感じてしまうのです。
英語の音そのものが聞き取れないのか、それとも音は聞き取れても意味が理解できていないのか。それによって対策も大きく変わってきます。
なのであなた自身が自分がどの段階でつまづいているのか、そしてどうしてつまづいているのかを把握することがリスニング対策をする第一歩になります。
原因に合った対策をしなければ勉強の効果は出ませんので、この章をしっかり読んで、あなたはどうして「リスニングが聞き取れない」と感じているのかを明確にしてくださいね。
1. 音そのものを正しく聞き取れていない
1つ目は英語の音そのものを聞き取れないパターンです。
まずは、音そのものを聞き取れていないとはどういう状態なのかを説明しますね。
次の英文を聞いてみてください。
Lunch starts at 12 o’clock and ends at 3 o’clock. という文章なのですが、どれくらい聞き取れたでしょうか?
聞き取れていればOKです。ですが、聞き取れていない場合は英語の音そのものを聞き取れていないということになります。
Lunch starts at 12 o’clockは聞き取れた。でもand ends atの部分がもごもごして聞き取れなかった…
という方も多かったのではないでしょうか。
ではなぜ音を聞き取れないのでしょうか。音が聞き取れない原因には2つあります。
英語の音を聞き取れない原因
- 単語そのものの発音を理解していない
- 英語の抑揚や、音の変化を理解していない
それぞれ詳しく説明していきますね。
単語そのものの発音を理解していない
まずそもそもですが、単語そのものの発音を知らないと音声を聞いてもどんな単語なのかを聞き分けることができません。
この音声を聞いてみてください。
こちらの音声はjewelry、日本語でいうとジュエリーという単純な単語ですが、発音を知らないと聞いただけだと意味が分かりませんよね。
このように単純な単語であっても発音を知らないと、どんな単語なのかを聞き分けることができなくなります。
英語の抑揚や、音の変化を理解していない
英語は文章全体の中で弱く発音したり、単語と単語をつなげて発音したりと、音の変化が激しい言語です。
こちらの音声を聞いてみてください。
先ほどの音声は、In the coming weeks, we’ll be organizing several training sessions for interested employees.という文章ですが次のような音の変化が含まれています。
- In theが弱め
- we will be が弱め&詰まっている
- interested employees の~ted+em~がくっついて、インタレステッ デンプロイーズみたいになっている
このように英語は文章全体で弱く読まれたり、単語と単語がくっついて発音されることで、発音が変化したりすることがあります。
たとえ知っている単語だけで作られている文章でも、音の変化に対応できなければ英語の音を正しく聞き取れなくなってしまいます。
2. 音は聞こえているが意味が理解できない
英語を聞き取れない2つ目の大きな原因は、英語の音は聞き取れていても肝心の意味が理解できないパターンです。
こちらの原因は単純で、次の2つが挙げられます。
- 語彙力が足りていない
- 文法力が足りていない
この単語聞いたことあるけどなんだっけ…
○○って聞こえたけど、意味わかんないなぁ
単語は全部聞き取れたけど、文章全体の意味が分かんない…
みたいな感覚に陥るのが特徴です。
音が聞こえている分、あとは意味を覚えれば「リスニングできる」の一歩手前にいる状態です。語彙、文法の対策をした分だけスコアに直結するので、勉強さえすればスコアがすぐ上がるでしょう。
【聞き取れない原因別】TOEICリスニングの対策法4選
結論から言うと、聞き取れない原因に適した勉強方法をしなければ勉強の効果は薄れてしまいます。
リスニングの勉強法ってネット上にあふれていますよね。ネット上の勉強法をいろいろ試しても効果が出ないのは、あなたが英語を聞き取れていない原因に合っていないからなのです。
英語を聞き取れない原因別の対策法は以下の通りです。
- 【単語の発音が分からない】単語勉強の工夫&音読
- 【抑揚や音の変化が分からない】オーバーラッピング
- 【語彙力が足りていない】単語を覚える
- 【文法力が足りていない】文法を学びなおす
「なぜ」「何を改善するためにその勉強をするのか」を明確にして勉強すれば、リスニング力はどんどん伸ばしていくことが可能です。
前の章で英語を聞き取れない原因を探れたと思いますので、この章ではその原因に適した勉強方法を紹介していきますね。
1.【単語の発音が分からない人】単語勉強を工夫&音読する
単語の発音が分からない人は、当然ですが単語の発音を知る必要があります。
単語の発音を学ぶためには以下の2つの方法があります。
- 単語帳で勉強するとき、音声も勉強する
- いろいろな文章を音読する
まず1つ目の方法ですが、単語帳で勉強するときは意味だけじゃなく音声も勉強するようにしましょう。
最近の単語帳は音声がダウンロードできるようになっており、単語の発音をスマホなどで簡単にチェックできるようになっています。
もしも単語勉強のときに、発音は聞かずに意味だけ覚えていた人は、今すぐ使っている単語帳の音声をダウンロードして、発音も聞くように意識してみてくださいね。
2つ目の方法は、いろいろな文章を音読する方法です。いろいろな文章を音読することによって、たくさんの単語の発音を一気におさらいできます。
とはいえ正しい発音がわからないと音読しようがありませんよね。なのでTOEICリスニングの問題集に掲載されている文章を音読するのがおすすめです。なぜならすべての文章のお手本となる音声が収録されているからです。
おすすめな問題集はこちら
TOEICリスニング1回分の100問が5セットの500問も収録されているので、たくさんの文章の音読練習ができます。
さらに、音読練習をしたあとでも普通の模試として使えるくらい問題数が多くてコスパがいいのでおすすめです!
2.【抑揚や音の変化が分からない人】オーバーラッピングをする
音の変化が分からない人は、とりあえず英文の意味は気にせずに英語の音を追いかける練習をしましょう。
英語の音を追いかける練習にはオーバーラッピングが有効です。
オーバーラッピングとは、台本を見ながらお手本と一緒に音読する練習方法です。
台本を見ながらお手本と一緒に音読するので、ひとりで音読するよりも音の変化を正確に聞き取れるのが最大のメリットです。
例えばひとりではkeep upをキープアップと呼んでいたのに、オーバーラッピングをすると「keepとupが並んでいると、キープアップじゃなくてキーパップみたいに聞こえるんだ」というように気づくことができます。
このような細かい音の変化にも気づけるようになるので、音の変化が分からない人はオーバーラッピングを日々の勉強に取り入れてみてください。
音の変化については以下の記事で詳しく解説しているので、ディクテーションをもっと効果的にしたい人はぜひ読んでみてください。
音の変化のパターンを学んだ上でオーバーラッピングをして、効率的に音の変化を聞き取れるようになりましょう!
3.【語彙力が足りていない人】先に単語を覚えましょう
語彙力が足りていない場合は、リスニングの勉強をする前に単語の勉強をしましょう。
単語の勉強をしても、すぐ忘れちゃうんですよ…
という方のためにおすすめの、記憶に残りやすい単語の覚え方を紹介しますね。
結論から言うと単語を映像(イメージ)で覚えるという方法がおすすめです。
英語と日本語を対応させて暗記しようとする人がめちゃくちゃ多いですが、その方法は非効率的です。
むしろ英単語を覚えるときは日本語はとりあえず無視して、映像やイメージと結びつけた方が覚えやすいです。なぜなら何かを学ぶときは、映像やイメージと結びつけて覚えると長期記憶として保管されやすいという特徴があるからです。
その証拠に、次の単語を読んでみてください。
- 勤勉な
- 栽培する
- 地方
どの単語も大体のイメージや映像が思い浮かぶのではないでしょうか。
このことから分かるように、私たちは言葉をイメージや映像と結び付けて覚えているんです。
ですが、英語を覚えるとなるとどうでしょうか。単語帳を見て、日本語での意味を覚えようとしていませんか?これが単語を覚えるのに苦労する理由なんです。
もしも英単語を覚えるのが苦手なら、英語と日本語を結びつけて覚えるのではなく、英語とイメージ(映像)を結びつけて覚えてみてください。
英単語の覚え方はこちらで詳しく解説しているので、こちらも必ず読んでおいてください。
知っている単語が増えればその分聞き取れる文章も増えるので、単語勉強は必ずやるようにしましょう!
4.【文法力が足りていない人】まずは文法を学びなおしましょう
文法力が足りない場合は、リスニングよりも先に文法の勉強をしましょう。
と言われても、文法の勉強ってなにが分からないかが分かってない状態で、どこから勉強すればいいか分かりませんよね。
そんな方のために、文法力を底上げするための学習ステップをご紹介します。
- 基本的な文法をすべて学びなおす
- 練習問題を解いて、自分が理解できていない文法をリストアップする
- リストアップされた弱点をつぶしていく
- 練習問題をすばやく解く練習をする。
基本的な文法が分かっていないとリスニングはもちろん、TOEIC全体でのスコアアップは期待できませんので、まずは中高レベルの文法を一通り学びなおしましょう。
一通り学びなおして理解したと思っても、実は理解しきれていない文法が出てきます。なので、次は理解しきれていない文法を練習問題を解きまくってリストアップしていきます。
弱点がわかったら、あとはその文法を重点的に勉強しましょう。苦手な文法が分かっていて勉強すべきことが明らかなので、効率よく勉強を進めて弱点をつぶせます。
そして仕上げに、練習問題をすばやく解く練習をしていきます。
なんで練習問題を解かなきゃいけないの?
文章を見て、瞬時に理解する力がつくからです。
文章を瞬時に理解する力が身につくまで文法をマスターできれば、リスニングをしたときに驚くほど内容を理解できるようになりますよ。
簡単に説明しましたが、文法の勉強方法はこちらで詳しく解説しているので、こちらも必ず読んでおいてくださいね。
シャドーイングやディクテーションはあとからでOK
リスニング対策としてシャドーイングやディクテーションがおすすめされていますが、これらの勉強方法はもう少し英語が聞き取れるようになってからやるべきです。
なぜなら、英語が聞き取れなかったり、意味を理解するのにつまづいている段階で、流れてくる音声を台本も見ずに読んだり、書き取ったりできるはずがないからです。
- シャドーイングを試してみて、流れてくる音声と自分の音声が混ざって挫折したことはありませんか?
- ディクテーションをやってみたけど、最初の数語は書き取れても、あとは何もわからなかった経験はありませんか?
シャドーイングもディクテーションも、ある程度聞き取れる人にとっては抜群の効果を発揮しますが、焦って先にやるべき勉強法ではありません。
難しすぎる勉強方法は挫折のもとになりますので、まずは今回紹介した方法をマスターしてから、仕上げとしてシャドーイングやディクテーションに取り組むようにしてくださいね。
【超厳選】TOEICリスニング対策におすすめの問題集2つ
リスニングの勉強方法が分かったところで、リスニング勉強におすすめな問題集を紹介していきますね。リスニングは問題集を1個でも持っていれば、この記事で紹介した次の勉強法すべてができます。
- 知らない単語の勉強
- 文法の再確認
- 音読
- オーバーラッピング
1冊あるだけでこれだけの勉強ができるので、TOEICで800点以上を目指しているのであれば1冊は買っておくべきです。
それではさっそく紹介していきますね。
公式TOEIC Listening & Reading プラクティス リスニング編
こちらは、TOEICを主催しているIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)が出版しているリスニングの問題集になります。
Partごとの解くコツや練習問題がたくさん掲載されているので、TOEICリスニング全般で悩んでいる方にピッタリの問題集になっています。
練習問題のほかにもリスニングパートだけの模試も用意されているので、一通り勉強をした後に自分の実力をチェックできるのもおすすめポイントの一つです!
おすすめポイント
- リスニングパートの解き方のコツがわかる
- それぞれの問題の解説が丁寧
- 公式による問題なので信頼感抜群
ただし問題数がちょっと少ない気がするので、「練習問題を解きまくってリスニング力を上げたい!」という方はこのあとに紹介する問題集とセットで使いましょう。
TOEIC®テスト 新形式精選模試 リスニング2
こちらは、TOEIC満点講師の方が作成した500問もの練習問題が掲載されている問題集です。本番と同じく100問1セットで、それが5回分収録されています。
問題の数が少ない問題集を何週もしていると答えを覚えてしまったりしますが、こちらの問題集は500問もあるので安心して勉強に取り組めます。
また音声をダウンロードできて、再生速度を変えながら再生できるのもおすすめポイントの1つです。
再生速度を遅めにすれば、どなたでも安心してオーバーラッピングなどに取り組めるのがいいですね。
この問題集はシリーズもので、リスニング1-3があります。しかし、1は出版年が2017年で今の形式に合っていない。そして、3は難易度が高く、初心者~中級者の方には適していないので、とりあえずはこちらのリスニング2を手に取るのをおすすめします。
とにかく圧倒的な量の勉強をして、リスニング力を上げたいという方には手放しでおすすめできる問題集です。
問題数が多くて、高品質な問題集を探しているのなら、この問題集一択です!
まとめ:聞き取れない理由に適した方法でリスニング勉強をしよう
今回は、TOEICリスニングを聞き取れるようになるための勉強法を紹介してきました。
まずは英語を聞き取れない原因を明らかにして、その原因に適した勉強をしていくのが大切だということをお伝えしてきました。
本記事のおさらい
- TOEICのリスニングが聞き取れない大きな原因2つ
- 音そのものを正しく聞き取れていない
- 音は聞こえているが意味が理解できない
- 【聞き取れない原因別】TOEICリスニングの対策法4選
【単語の発音が分からない人】単語勉強を工夫&音読する
【抑揚や音の変化が分からない人】オーバーラッピングをする
【語彙力が足りていない人】先に単語を覚える
【文法力が足りていない人】まずは文法を学びなおす
シャドーイングやディクテーションはあとからでOK - TOEICリスニング対策におすすめの問題集2つ
公式TOEIC Listening & Reading プラクティス リスニング編
TOEIC®テスト 新形式精選模試 リスニング2
ネット上でいろいろな勉強法がおすすめされていますが、思考停止して真似するのではなく、「なぜ」「何を改善するためにその勉強をするのか」を明確にして勉強を進めていきましょう。
リスニングができるようになれば、TOEIC800点にグッと近づきます。リスニングは正しい方法でやればやるほど伸びるので、今回ご紹介した勉強法を実践して、リスニング力アップを目指してくださいね!
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