TOEICのリスニングがなんとなくしか聞き取れない…
ディクテーションをしたらちゃんと聞き取れるようになるのかな?
こんな悩みを解決していきます。
この記事でわかること
- ディクテーションとは
- ディクテーションの効果
- 効果抜群のディクテーションのやり方
- リスニングができない原因別の勉強法
TOEIC950点を2回連続で取った経験がある筆者が詳しく解説していきます。1回目はリスニング450点、2回目は満点でした!
TOEICのリスニングで、なんとなくの意味は分かるんだけど細かい部分が聞き取れなくて間違うことって結構ありますよね。
そんな人におすすめなのがディクテーションです。ディクテーションをすることで、英語を一字一句聞き取れるようになり、リスニングの正解率もグッと上がります。
そこでこの記事では、リスニング対策用のオーバーラッピングのやり方を紹介していきます。
TOEICリスニングの点数を上げたい方は最後まで読んでみてください。
そもそもディクテーションって何?どんな人がやるべきなの?
ディクテーションとは、リスニングしながら読まれた英語を書き起こす勉強法です。ディクテーションは、英語の音声と答えとなる台本があればどんな英文でもできます。
音声と台本さえあれば誰でもできる勉強法ですが、誰にでもおすすめできる勉強法ではありません。というのもディクテーションは、多少は英語を聞き取れないと結局何もわからないままになってしまうからです。
ディクテーションがおすすめな人
- 読まれた英語の大体の意味は分かるけど、細かい部分が聞き取れなくて困っている人
- TOEICリスニングを「なんとなくこんな感じかな?」で解いてしまう人
ちなみに、英語をほとんど聞き取れない人は英語の音そのものを聞き取れるようになるのが最優先です。そのためには、オーバーラッピングという勉強法が有効です。
オーバーラッピングについてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、「英語がほとんど聞き取れないよ」という人は、ぜひ読んでみてください。
ディクテーションでリスニング力が上がる理由
ディクテーションでリスニング力が上がる理由には、下記の2つが挙げられます。
- 一字一句英語を聞き取るスキルが伸びるから
- リスニングの弱点が分かり、対策につなげられるから
1つずつ具体的に紹介していきますね。
1. 英語を一字一句聞き取るスキルが伸びるから
ディクテーションをすることで、英語を一字一句聞き取れるようになります。
なぜなら読まれた音声をすべて文字に起こす練習をしていると、下記のような英語を聞き取る訓練になるからです。
- aやtheなどの冠詞
- atやonなどの前置詞
- 弱く読まれて聞こえづらい部分
- 音声が変化した英語
ディクテーションに取り組んでいると、このような細かい部分までしっかりと聞く習慣やクセがついて、リスニング力がグッと上がります。
「とにかく聞く量を増やそう!」と、英語の聞き流しなんてしてたらこんなスキルは身につきませんよね。
ちなみに音声が変化した英語とは、大きく分けて下の3つのことを指します。
音声変化の3パターン
- 単語同士がつながって発音される、リンキング
- 単語の一部が発音されなくなる、リダクション
- tの音がラ行やダ行に変化する、フラッピング
ディクテーションをすることで読まれた英語のすみずみまで聞き取る習慣とクセがつくので、ディクテーションをやるとリスニング力がアップするのです。
2. リスニングの弱点が分かり、対策につなげられるから
ディクテーションをすることで、リスニングの弱点がハッキリします。
ディクテーションでは読まれる英文をすべて文字に書き起こしていくので、聞き取れなかった部分が空欄になりますよね。
書き取れなかった=聞き取れなかったということなので、メモを見ればどこが聞き取れなかったのかが一目でわかります。
そして聞き取れなかった部分が分かったら、次はどうして聞き取れなかったのかが分析できるようになります。
- 単純に音が聞き取れなかった
- 音は聞き取れたけど、音が単語と結びつかなかった
- つながって聞こえてなんて言っているのかが分からなかった
など、いろいろな理由が明らかになっていきます。
そして聞き取れなかった理由がわかれば勉強すべき内容が自然と明らかになるので、結果的にリスニング力が伸びるのです。
「どこが、どうして聞き取れなかったのか」をハッキリさせないまま、なんとなく勉強をしても、リスニングの苦手は克服できません。
【5ステップ】圧倒的な効果が出るディクテーションのやり方
ディクテーションをやることでリスニング力が上がることが分かりましたので、次は実際のやり方を説明していきます。
具体的には下の6ステップです。
- 台本を見ずに音声を聞く
- (音声を止めて)聞いた音声を文字に書き起こす
- 答え合わせをする
- 聞き取れなかった理由を分析する
- 再度音声を聞いて、すべて書き取れるかチェックする
それでは1つずつ解説していきますね。実践用の音声も用意してありますので、実際にディクテーションしながら読み進めてみてくださいね。
ステップ1:台本を見ずに音声を聞く
まずは台本を見ずに、TOEIC本番のような感覚で純粋に音声を聞きましょう。読まれている文章を聞き取ることに集中し、意味も理解していきます。
ディクテーションに使う英文の長さは、TOEICのPart1、2くらいの1文だけで完結している短い文章がおすすめです。
また、音声を聞く回数は少なければ少ないほど自分の実力がハッキリします。なので弱点を明らかにするために、全然聞き取れなくても聞き直すのは3回までにしましょう。
実践用音声
ステップ2:(音声を止めて)聞いた音声を文字に書き起こす
次は音声を止めて、聞き取れた音声を文字に書き起こしていきましょう。
TOEICリスニング対策なので、スペルを1文字も間違いなく正確に書き取る必要はありません。あくまでもTOEIC対策なので、スペルは気にしなくてOKです。
聞き取れたはずなのに内容を忘れてしまった場合は、確認用に1回だけ英語を聞き直してもOKです。ただし、あくまでも確認用ですので聞きすぎないように注意してくださいね。
ステップ3:答え合わせをする
聞き取れた部分をすべて文字に書き起こしたら、答え合わせをします。
聞き取れなかった部分を目立たせるために、間違っている部分に×印をつけていきましょう。間違った部分というのは具体的に下記のようなものを指します。
- 書き取れなかった部分
- 書き取れたけど、思っていた単語・文章と違った部分
- 書き取れたけど、思っていた意味と違った部分
正しく聞き取れていたかどうかだけではなく、自分なりに理解していた意味が正しいかどうかもチェックしましょう。
たとえ音そのものの聞き取りは出来ていても、意味の理解が間違えていればリスニング本番で間違えてしまう可能性が高いので忘れずにチェックしてくださいね。
先ほどもお伝えしたようにスペルは重要ではないので、スペルミスは正解としてみなしてしまってOKです。
実践用音声の台本
It’s already Friday and we still haven’t finished this project. (もう金曜日なのにこのプロジェクトを終えられていない。)
ステップ4:聞き取れなかった理由を分析・対策する
答え合わせをして聞き取れなかった部分が明確になったら、どうして聞き取れなかったのかを分析していきます。
- 単語そのものを知らなかった
- 単語は知っていたけど、思っていた発音と違っていた
- 発音が似ている単語と聞き間違えた
- 音の変化に気づけなかった
- スピードが早くて聞き取れなかった
など、聞き取れなかった理由にはいろいろあります。
聞き取れなかった理由によってやるべき勉強が変わってくるので、間違えた原因の分析は超大事です
「聞き取れなかった」だけで終わるのではなく、「どうして聞き取れなかったのか」。そして、「聞き取れるようになるにはどんな知識が必要か」まで分析しましょう。
そこまで分析できたら、答えを見て正しく聞き取るための知識を勉強していきます。
単語そのものが分からなかったら、その単語を覚える。音の変化に気づけなかったのなら、どんなふうに音が変化していたのかを勉強するっていうイメージです。
実践用音声と台本
It’s already Friday and we still haven’t finished this project. (もう金曜日なのにこのプロジェクトを終えられていない。)
ステップ5:再度音声を聞いて、すべて書き取れるかチェックする
聞き取れなかった部分の把握と対策ができたら、最後にもう一度音声を聞いて、すべて聞き取って文字に書き起こせるかをチェックします。
すべて聞き取って、文字にできれば次の文章に進みましょう。
もしも聞き取れない部分があった場合は、全部聞き取って文字にできるようになるまで復習を繰り返しましょう。
【実践用音声】
リスニングできない原因ごとの適切な対策法5選
いろんな文章でディクテーションをしていると、「これが原因でいつも聞き取れないな」っていう原因の傾向が見えてきます。
1回1回その場で勉強するのもいいのですが、ある程度の傾向がわかってきた段階で、いつも間違える原因をまとめて対策するのがおすすめです。
なぜなら苦手な分野を細切れで勉強するよりも、ある程度まとめて勉強したほうが効率がいいからです。
例えばですが、現在進行形を勉強した5日後に過去進行形を勉強するよりも、進行形全般を勉強する期間を2,3日作って、まとめて勉強したほうが絶対に効率がいいですよね。
この章では、正しくリスニング出来なかった原因ごとの対策を解説していきます。
具体的には下記の5つへの対策を解説します。
- 知らない単語が多い場合の対策
- 単語はわかるが発音がわからない単語が多い場合の対策
- 音が変化した英語を聞き取るのが苦手な場合の対策
- 読まれた文章の意味が理解できないことが多い場合の対策
- 音声が速すぎてついていけない場合の対策
先ほどの実践問題をやってみた方は、そこで間違えた原因と関連付けながら読んでみてくださいね。
1. 知らない単語が多い場合
ディクテーションをしていて、そもそもの単語を知らないのが原因で間違える傾向にある人は、単語の勉強に力を入れましょう。
単語の勉強には単語帳を使うのがおすすめです。とはいえ思考停止で単語帳を使うのはおすすめしません。
- 自分が覚えていない単語はどれか
- 繰り返し勉強しているのに覚えられない単語はどれか
- 覚えたけど忘れそうな単語はどれか
単語帳は上記のようなことを意識しながら使わなければ、効果が半減してしまいます。
具体的にどうやって意識するかというと、付箋と「正」の字を活用して単語帳を使うのがおすすめです。
付箋が貼ってある=覚えていない単語ですし、正の字がいっぱいある=覚えるのに苦労している単語ということが一目でわかるようになります。
単語帳を有効に使う方法についてはこの記事で詳しく紹介しているので、とりあえずで単語帳を使っている人はぜひ読んでみてください。
また単語を覚えること自体が苦手だという人は、単語を長期記憶として保管するための勉強方法を試してみましょう。
具体的には下記の3つが有効です
単語を長期記憶として暗記する方法
- 映像やイメージと結び付けて単語を覚える
- 覚えられない単語を使って英作文する
- 適切なタイミングで復習する
とくに、英語を日本語と結び付けて覚えようとするといつまでたっても覚えられません。大事なのは、その単語を映像やイメージと結び付けて覚えることです。
東京タワー=東京にある赤くて大きい塔といったように、映像と結び付けて覚えるのが有効です。
単語を効率的に覚えるための方法については下の記事で詳しく紹介しています。単語を覚えるのが苦手な方はぜひ読んでみてください。
2. 単語はわかるが発音がわからない単語が多い場合の対策
ディクテーションで答え合わせをしていて、「文字で見れば分かるのに聞き取れなかった」という単語が多い人は、単語の発音を勉強しましょう。
具体的には、下記のような方法があります。
- 単語帳についてくる音声を聞く
- リスニング教材を自分なりに音読→お手本を聞く
- 単語をググって、発音を調べる
どんな人にもおすすめできるのは、リスニング教材を自分なりに音読してからお手本を聞く方法です。
自分なりの予想を立ててからお手本を聞くので、間違っていた場合は強烈な印象として脳にインプットされるので、効率よく発音を覚えられます。
文字で見れば分かるのに…という単語は、発音さえ知ってしまえば聞き取って理解できるようになるので、対策すればすぐにスコアを伸ばせます!
3. 音が変化した英語を聞き取るのが苦手な場合の対策
単語がつながって読まれて音が変わるせいで正しく聞き取れないという人は、音の変化について勉強しましょう。
音声変化には大きく分けて3つのパターンがあります。
音声変化の3パターン
- 単語同士がつながって発音される、リンキング
- 単語の一部が発音されなくなる、リダクション
- tの音がラ行やダ行に変化する、フラッピング
それぞれを軽く説明すると、下記のようなものを意味します。
リンキング
音と音がつながる音声変化。
【例】
- My name is…→マイネーミズ
- Thank you.→センキュー
- keep up→キーパップ
リダクション
音が脱落したり、限りなく弱く発音される音声変化。
【例】
- Good bye→グッバイ
- Let me… →レッミー
- This is for you.→ディスイズ(フォ)ユー
フラッピング
“t” が、ラ行とダ行の間のように発音される音声変化。
【例】
- water→ウォーラー
- get it→ゲディッ
- Shut up.→シャダップ
このような音声変化を知っておくだけで、突然出てきた音声変化にも対応できるようになるので、今まで音声変化を気にしていなかった人は、上の3つを復習しておきましょう。
音声変化については下記の記事で解説しているので、音声変化について詳しく知りたい人はぜひ読んでみてください。
4. 読まれた文章の意味が理解できないことが多い場合の対策
読まれた文章の意味が理解できないことが多い人は、文法の勉強を重点的に勉強しましょう。
文法の知識がなければ最悪の場合、英語は全部聞き取れているのに意味を正しく理解できなくて間違えた回答をしてしまうことすらあり得ます。
ですから、文章の意味が理解できないことが多い人は文法の勉強を重点的に進めましょう。
具体的な文法の勉強法は、下記の3ステップです。
- 分かりやすい参考書で文法の基礎を理解する
- 時間を気にせずPart5の文法穴埋め問題を解いて、自分の弱点を明らかにする
- 明らかになった弱点を徹底的に勉強する
このステップで勉強していけば、自分が苦手な文法を把握してその弱点をピンポイントで対策できます。
なので、「なんとなく文法が苦手」「分からない文法だらけな気がする」と感じている人は、このステップに従って文法勉強をしてみてください。
文法の学習ステップについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、文法が苦手な方はぜひ読んでみてください。
5. 音声が速すぎてついていけない場合の対策
音声が速すぎてついていけないことが多い場合は、自分が聞き取れる速度よりもちょっとだけ早い速度でリスニング練習を繰り返しましょう。
そしてその速さに慣れてきたら、本来の速度に近づけていくのがおすすめです。
私自身、2倍速とかで聞いてから通常の速度に戻す方法も試しましたが、効果は実感しづらかったです。
自分が聞き取れるか聞き取れないかぐらいの速度で英語を聞き続けることのメリットは、頭をフル回転させられることです。
聞き取れるか聞き取れないかぐらいの速度だと、「今○○って言ったかも。」「やっぱり言ってた!」と、今ある知識とスキルをフル活用して英語を聞き取ろうと努力できます。
2倍速とかで聞くと、「うわ、めっちゃ速い…」としか思わないですよね。
再生速度を調整してリスニングをすると、聞き取れる英語が増えていく感じが気持ちよくなって、リスニングに対する苦手意識が薄れていくのもおすすめポイントです。
再生速度を調整して勉強したい人は、TOEICテスト新形式精選模試リスニング2がおすすめです。再生速度を調整できる上に、500問も掲載されているのでコスパ最強です!
まとめ:正しい方法でディクテーションをやればリスニングは必ず伸びる!
今回は、TOEICリスニング対策用のディクテーションのやり方を紹介してきました。
本記事の要約
- ディクテーションとは
- ディクテーションでリスニング力が上がる理由
- 英語を一字一句聞き取るスキルが身につくから
- リスニングの弱点が分かり、対策につなげられるから
- ディクテーションのやり方
- 1. 台本を見ずに音声を聞く
- 2. 聞いた音声を文字に書き起こす
- 3. 答え合わせをする
- 4. 聞き取れなかった理由を分析・対策する
- 5. 再度音声を聞いて、すべて聞き取れるかチェックする。
- リスニングできない原因ごとの適切な対策法
- 知らない単語が多い→単語勉強
- 単語はわかるが発音がわからない→発音勉強
- 音が変化した英語が苦手→音声変化の勉強
- 読まれた文章の意味が理解できない→文法の勉強
- 音声が速すぎてついていけない→再生速度を調整する
正しい方法でディクテーションをして、さらに苦手分野の対策をしていけばリスニング力は確実にアップしていきます。
リスニングパートで点数を取れるようになればTOEIC800点以上を取ることも夢ではありませんので、今回紹介した方法でディクテーションを繰り返してリスニング力をグングン上げていきましょう。